桜も終わり、いよいよ本格的に新しい季節がやってきました。
先日桜吹雪を見て、10年くらい前自分の身に起こった
ある出来事を思い出しました。
ちょっと長いけど、以下、全て実話です。
以前住んでいた実家から当時の仕事場まで車で約1時間。
毎日愛車で通勤していた。
その車1955年製のポンティアックチーフテンという
リッター2〜3キロのいかしたアメ車である。
真っ黒のボディーにヒョウ柄の内装。
ベッタベタの50’s仕様だった。
仕事の帰り道、深夜、外環の下の一般道を走っていた時の事。
信号にひっかかったとき
先頭の自分の車の前に、
後ろから来た’70年代の黒いカマロが道を塞ぐように停まった。
そしてジャイアンとスネ夫のようなコンビの二人が降りてきた。
「おい、なんで挨拶しねーんだよ。」酒臭いジャイアン似
(髪の毛を
脱色していて、ほのかに
ウンコくさくて、身体が
まるまるしているので
脱糞丸と命名)
が言うと
「そーだぞ!」とスネ夫似(
小さくて、今時
珍しく前歯が抜けていて眉毛が
太いので
小珍太と命名)が後ろから叫んだ。
なんのことやらさっぱりわからなかったが
挨拶が欲しいならと思い
「やあ。」と言ってみた。
脱糞丸「やあじゃねんだよ。とりあえず車から降りろよ。」
「急いでるんだけど。」
脱糞丸「いーから降りろよ。俺を誰だと思ってんだよ。」
あまりにしつこいので、念のためスニーカーからエンジニアブーツに履き替え、車を降りた。
どうやら彼らの車を追い越した際、こちらからクラクションの挨拶がなかったらしい。
そんなにクラクションで挨拶してほしいんだったらと思い
俺は「じゃあ、」
と言いながら自分の車の窓から手を入れ、クラクションを鳴らした。
「プップッ」
どうやらその行為が気に入らなかったらしく脱糞丸の声が大きくなった。
「テメー、なめてんじゃねーぞ!俺を誰だと思ってんだよ!」
さっきから出てくるこの「俺を誰だと思ってんだよ!」
というフレーズ。
どうやら自分達が何者だか言いたいらしい。
「わからない。」っときっぱり言うと本番がはじまった。
脱糞丸「埼玉のアメ車のカスタム屋と言えばこの店知らねー奴はいねーんだよ。」
「そうだ!」小珍太の合の手が入る。
脱糞丸「俺はな、その店の看板背負って乗ってんだよ。
その俺に挨拶ねーってどういうことだ!」
「そうだぞ!」
ぞ、が半分、じょ、になりかけての合の手。頑張れ小珍太。
脱糞丸「知らねーのかよ!」
「知らない。」
「にゃんだとコリャー!」小珍太は前歯が数本ないので仕方ない。
脱糞丸「ほんとに知らねーのかよ。」
「悪いけど知らない。」
すると脱糞丸は天から聞こえる「ジャジャーん!」という効果音とともに
着ていたMA-1を脱ぎながら
華麗なステップで180度回転し、背をこちらに向けて片膝をついてしゃがんだ。
顔は横向き。そして横目でこちらの動きを伺っている。
小珍太はその後ろで仁王立ち。場を盛り上げる。
2人のその立ち振る舞いは
「よっ!東山の金さん!」と言いたくなる様な見事な演出である。
インナーに着ていた白いトレーナーの背中には
「H◉◉F MOON」というロゴとカラフルなカスタムカーのイラスト。
「・・・・・」
「・・・・・」
「・・・・・?」
10秒程のながい沈黙。
俺、どうしたらいい?
「・・・・・」
「読め」
「?・・・」
「いいから早く読め」
「ハ◉フ ムーン」
俺が店名を読み上げると、脱糞丸は満足した様子で落ち着きを取り戻した。
結局、こちらが追い抜く際にカマロには気づかなかったという事で
無事釈放された。
そして彼らは急にやさしくなった。
酔っぱらいに付き合わされただけか?とも思ったが、
ここは紳士的に「じゃあ、気をつけて。」と言いながら車を出すと
走り去る俺に彼らは手を振っていた。
もちろん自分も軽く会釈をした。
しかし、不覚にもクラクションでの挨拶を忘れてしまった。
見事な桜吹雪を見せていただいたが
今、いくら検索してもその店は跡形も見当たらない。
しかし脱糞丸の愛してやまないそのお店は
今でも彼の心の中で営業し続けていることだろう。
そして小珍太は差し歯をしただろうか?
気になるところである、、、。
この個体じゃないけど、この年式のこの車です。

外装真っ黒、内装ヒョウ柄で、1975年だったかのファイヤーバードの
エンジンとミッションにスワップしたので
むちゃくちゃ早かったです。
そしてこんなメーター周りでした。
このオーナメントをつけてました。
また乗りたいなー、アメ車。。。